はてな情報削除の流れ

はてな情報削除の流れの目的

本文書は、株式会社はてな(以下「はてな」)がはてな利用規約や特定電気通信役務提供者の損害賠償責任の制限及び発信者情報の開示に関する法律(以下「プロバイダ責任法」)などの各種法令にのっとり、はてなが提供するウェブサイト(以下「本サイト」)上の情報に対して送信防止措置を行うに当たり、円満で迅速な解決を図ることができるよう、その手順を明確にすることを目的とする。

はてな内での禁止事項や、詳細な解釈指針については、はてな利用規約、ならびにはてな情報削除ガイドラインを参照のこと。

本文書では、はてな情報削除ガイドラインに定める「ユーザー発信情報」の削除の流れについて規定する。「ユーザー・はてな発信情報」および「匿名者発信情報」については、それぞれのサービスのガイドラインで別途規定がなければ、本文書の規定に沿って対応する。

情報削除に関する各種フェーズ

はてなが申立を受け、送信防止措置やその他の対処にいたるまでには以下の各フェーズが存在する。

1.申立の受理
 申立者が申立を行い、はてなが申立内容の不備が無いことを確認し、申立を受理する
2.はてなによる調査
 申立内容に基づき、侵害されたとする情報について調査を行う
3.はてなによる対応
 2.の調査結果に基づき、送信防止措置やその他の対処、各種連絡等を行う

1. 申立の受理

申立書の提出

はてなが提供する情報の流通により、著作権及び著作隣接権(以下「著作権等」)・プライバシー侵害・名誉毀損等の不法行為が行われている場合、権利を侵害された者(以下「申立者」)は、以下の各項目を明記し、文書、メール、問い合わせフォームからの連絡、FAXのいずれかの手段により侵害情報の送信防止措置の申立を行うものとする。

申立は、権利を侵害されたとする当事者または委任を受けた代理人によるものであること、下記各項目を満たす書式であることを原則とする。

・ 住所
・ 氏名
・ 連絡先
・ 侵害情報についての各情報
 ・ 掲載されているURL
 ・ 掲載されている情報
 ・ 侵害されたとする権利
 ・ 権利が侵害されたとする理由
 ・ 著作権侵害の場合以下の各情報
  ・ 申立者が著作権者、あるいはその代理人である事が確認できる資料
  ・ 権利侵害を確認可能な方法
  ・ 著作権等の保護期間が経過していることを窺わせる事情が存在する場合は、保護期間内である事を裏付ける証拠
・ 申立者が発信者に対して権利許諾をしていない旨の記述
・ 送信防止措置を希望する意思表示
・ 発信者への氏名開示の可否
・ 申立内容の公開の可否

記載された情報のうち、住所、氏名、連絡先は本人確認のために記述するものであり、はてなが保管し、侵害情報の発信者も含めて第三者には開示しない。

申立内容と申立者に関する情報については、侵害理由を特定する必要の範囲において情報発信者に通知するが、特に通知に不都合がある情報が含まれる場合には、公開不可情報として受理することが可能である。

申立書の送付先

■文書による送付先
〒604-8162 京都府京都市中京区烏丸通六角下ル七観音町630 読売京都ビル7F

■メールによる送付先
cs@hatena.ne.jp

■問い合わせフォーム
https://hatena.zendesk.com/hc/ja/requests/new

■FAXによる送付先
075-241-9949

受理までの流れ

申立を受付た場合、はてなは申立書類に記載された連絡先等から申立者の本人確認(代理人による場合は委任関係の確認を含む)、侵害情報の確認を行い、不備がない場合には申立を受理する。

申立書の項目に不備がある場合、本人確認ができない場合、侵害情報が特定できない場合、および発信者に対して通知を要する情報の公開を不可としている場合、はてなは申立の受理ができない旨とその理由を付して再度の申立または補足情報の提示を要請する。
はてなからの要請に対して再度の申立や情報の補足がない場合は申立の受理ができないため、はてなは損害賠償責任を負わない。

申立に依らない情報削除

第三者からの通報や、上記各項目に満たない申立、はてなのパトロールなどによって、権利侵害情報に相当することが明白な情報や違法情報、利用規約で発信を禁じている情報を発見した場合は、本文書で定める手順を経ずに情報送信防止措置やサービスの利用制限措置をとることがある。この措置に関する基準は「はてな情報削除ガイドライン」や各サービスのガイドラインにて別途定める。

2. はてなによる調査

はてなは申立の内容に基づき、当該情報が申立者の権利を侵害しているか、はてな利用規約に違反するかどうかの判断を行う。
それぞれの判断基準は、「はてな情報削除ガイドライン」にて規定する。

3. はてなによる対応

対応方針の決定

申立対象の情報を確認した結果、以下のいずれかに該当する場合、はてなは当該情報に対して送信防止措置を行う

1. 権利侵害情報であることが明白との判断に至った場合
2. 発信された情報や、情報発信者のサービス利用における行為が、はてな利用規約および各サービスにて定めるガイドラインに違反すると判断した場合

申立対象の情報が 上記1.2に該当せず、権利侵害情報に相当することが明白とはいえない場合、はてなは情報発信者に対して意見照会を行い、送信防止措置の可否を決定する。

意見照会から削除可否決定までの流れ

1. 意見照会
はてなは、登録されたメールアドレスへのメールにより、情報発信者へ以下の各項目を伝え、申立に対する意見、反論を受け付ける。
・ 権利侵害を被った当事者からの削除申立があった事実
・ 申立者が権利が侵害されたとする情報
・ 申立者が侵害されたとする権利
・ 申立者が情報によって権利が侵害されたとする理由

・ 本通知が到達した翌日から起算して7日の間メールでの反論を受け付ける旨の通知
・ 期限内に反論がない場合、送信防止措置を行う旨の通知
・ 送信防止措置に関する説明
・ 申立内容をみだりに公開しない旨の要請

また、申立者が申立書に同意を行った場合は、以下の項目を伝える。
・ 申立者氏名
・その他、申立者が通知を希望する事柄

2. 照会結果に対する判断と対応

a. 情報発信者が自主削除した場合
はてなが情報発信者へ照会を行った日から7日以内に情報発信者が自主的に情報の削除を行なったり公開を停止した場合、情報発信者および申立者に情報削除が完了した旨を通知し、これをもってはてなは削除対応を終了する。
自主的に情報の一部改変が行われているが、情報発信者からの連絡がなく対応の意図が不明である場合は b.と同様の対応をとる。

b. 対応、反論がない場合
はてなが情報発信者へ照会を行った日から7日以内に情報発信者が自主的に削除せず、反論がなかった場合、あるいは反論が明らかに理由のないものであるなど受理ができない場合、はてなで送信防止措置を行い、情報発信者及び申立者に措置をとった旨を通知する。これをもってはてなは削除対応を終了する。
通知メールの見落としや、登録メールアドレスの失効、あるいはエラーなどによって通知を確認できず情報発信者が期日内に反論ができなかった場合、情報発信者が被った不利益について、はてなは一切責任は負わない。

c. 反論があった場合
はてなが情報発信者へ照会を行った日から7日以内に情報発信者から反論があり、その反論に一定の合理性がある場合は、はてなは反論を受理する。その際には送信防止措置は行わず、申立者に反論の内容を通知する。申立者がさらに削除を求め、情報発信者からの反論に対して反論がある場合、情報発信者に対する再度の意見照会を検討するが、双方の意見を照会しても権利侵害情報に相当することが明白と判断することが困難な場合、はてなによる情報削除は不可と決定し対応を終了する。

3. 送信防止措置に関する方針
送信防止措置を行う際、はてなは情報発信者に対して送信防止措置を行なったこととその理由を通知する。
また、送信防止措置は、権利侵害情報の送信を防止するために有効な必要最小限度と定めている。

必要最小限度の定義は下記の通り。
・当該サービスを利用した権利侵害情報のさらなる送信を防止するために必要な措置とする
・可能な限り、情報発信者は自身の発信した情報を確認できる措置とする
・投稿データの消去や改変はサービス仕様上やむを得ない場合を除き行わない

具体的な送信防止措置の内容は、情報が発信されたサービスや情報の内容、発信者の利用態様により異なるため、意見照会の際にあらかじめ情報発信者に通知する。

4. 対応終了後の方針
a. はてなによる送信防止措置や情報発信者による自主削除により対応が終了した後、申立対象となった情報やそれに類する情報をはてなのサービス内に再送信することは許諾しない
b. 情報発信者から意見照会期限内に反論がなく送信防止措置をとった後は、申立に対する反論を受理しない
c. 情報発信者から意見照会期限内に反論がなく送信防止措置をとった後、情報発信者自身が申立対象となった情報の削除を行った上で送信防止措置の解除を希望している場合、情報発信者から今後権利侵害情報の送信を行わないとの誓約があり、今後の利用に問題がないと判断できれば、送信防止措置を解除する
d. a.c. において削除された情報の再送信や権利侵害行為が確認された場合、意見照会を経ず送信防止措置をとる。また、2度目以降の送信防止措置は情報発信者からの希望を受けても解除しない

選挙運動に関する特例

2013年5月の公職選挙法改正に伴い、プロバイダ責任制限法 (改正プロバイダ責任制限法 第3条の2) に特例が設けられた。これに伴い、選挙運動期間 (公示日(告示日)から選挙が行われる日の前日まで)に頒布された選挙運動または当選を得させないための活動に使用する文書図画情報の流通によって名誉侵害を受けたとする候補者・政党等からの情報削除の申立に限り、下記の特例を適用する。

■意見照会期間の短縮
「3.はてなによる対応」で、意見照会の期間を「7日」と定めているが、上記特例条件に該当する申立に限り、意見照会の期間が「2日」に短縮される。
照会を受けた日から2日を経過しても情報発信者が自主的に情報を削除せず、削除に同意しない旨の申出と反論意見がなければ、送信防止措置を行う。

■電子メールアドレス等、連絡先が表示されていない情報の削除
選挙運動または当選を得させないための活動に使用する文書図画情報には電子メールアドレスなど連絡先の表示が義務付けられている。そのため、上記特例条件に該当する申立に限り、当該情報発信者の電子メールアドレスなどの連絡先が正しく表示されていない時には、当該情報に対し直ちに情報送信防止措置を行う。

アダルトビデオ出演者からの削除依頼に関する特例

2022年6月に施行された「私事性的画像記録の提供等による被害の防止に関する法律(以下、AV出演被害防止・救済法)」でプロバイダ責任制限法に特例が設けられた ( 性行為映像制作物出演被害防止・救済法 16 条 )。これに伴い、性行為映像制作物(AV)に係る情報の流通によって自己の権利が侵害されたとする被害者からの削除申立に限り、下記の特例を適用する。

■意見照会期間の短縮
「3.はてなによる対応」で、意見照会の期間を「7日」と定めているが、上記特例条件に該当する申立に限り、意見照会の期間が「2日」に短縮される。
照会を受けた日から2日を経過しても情報発信者が自主的に情報を削除せず、削除に同意しない旨の申出と反論意見がなければ、送信防止措置を行う。

なお、掲載の態様から、はてな利用規約第6条2-c「倫理的に問題がある低俗、有害、下品な行為、他人に嫌悪感を与える内容の情報を開示する行為。ポルノ、売春、風俗営業、これらに関連する内容の情報を開示する行為。」であり、即時削除対象に相当すると判断した場合は意見照会を経ず直ちに送信防止措置を行う。

本文書の補足情報

本文書に関する補足情報を公開しています。情報削除手続きに関するはてなの考えを取りまとめたものですので、あわせてご参照ください。
情報削除に関する考え方とよく聞かれる質問 - Hatena Policiespolicies.hatena.ne.jp

改訂履歴

2022年8月17日
・AV出演被害防止・救済法施行に伴い「アダルトビデオ出演者からの削除依頼に関する特例」を追加
・削除手続きに係る情報の補完、廃止されたサービスに関する運用の削除、文書構成と文言の見直し
・改訂履歴の追加
2022年6月24日
・補足文書として「情報削除に関する考え方とよく聞かれる質問」を公開
2013年7月13日 公職選挙法の改正に伴い「選挙運動に関する特例」を追加
2004年12月1日 施行